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「カバー取引」に注意!

当然のことですが、仮に「私が米ドルを買う」とすると、「米ドルを売った誰かがいた」ということです。

 自分の取引の反対側に誰がいるのかは、注文の処理方法によって異なります。

 海外FX業者には、相対取引で注文を処理している業者と、NDD(ECN)で処理している業者の二種類があります。

 相対取引の海外FX業者を利用する場合には、その業者がカバー取引を行っているかどうかを、絶対に確認してください。

 カバー取引とは、海外FX業者とその顧客である我々の利害の相反を防ぐための措置です。

 以下、カバー取引とは何かを理解するために、まず相対取引について説明します。

相対取引とは

 顧客がFX業者を相手に売り買いすることを相対取引(OTC-Over the Counter、店頭FX)と言います。また、相対取引をするFX業者をマーケットメイカー、またはディーラーといいます。

 つまり、私が米ドル買いの注文を出した際、FX業者が私に米ドルを売ってくれているのです。米ドルを売ろうと思ったら、米ドルを買ってくれるのも取引先のFX業者です。

 日本のFX業者のほとんどが、相対取引で我々の注文を処理しています。

 海外には、NDD(No Dealing Desk、取引所FX)やECN(Electronic Communications Network)といわれる、FX業者が顧客と直接取引をせずに、銀行と顧客を結び付ける役割のシステムを取っているFX業者もあります。


利益相反を防ぐカバー取引

 しつこいようですが、顧客が1ドルを100円で買うということは、FX業者が1ドルを100円で売ることと等しいのです。

 では仮に、ドルの価格が110円になったとしましょう。顧客は10円の儲けを上げますが、その裏でFX業者は10円の損をしているのです。もちろん逆に、ドルが90円になってしまった場合、顧客の10円の損失はFX業者の10円の儲けになります。

 つまり、業者の利益は我々顧客の損失から生まれることになります。

 しかも、ルールはすべて業者側が決めた後、業者側の土俵でゲームが行われます。カジノでブラックジャックに賭けるのとまったく違いはありません。

 実は、このゼロサムゲームから生じる利益の相反をなくすために、日本のFX業者はカバー取引をしています。

 カバー取引とはFX業者が顧客の注文を受理する際に、全く同じ取引を大手の銀行や金融機関とすることです。

【例】

 前記したように、顧客が1ドルを100円でFX業者から買うとします。
 FX業者がその注文を受理するのと同時に、大手の銀行から1ドルを100円で買ったとしたらどうでしょう?
 1ドルが110円になったとしたら、FX業者は顧客相手の取引で10円を失うことになりますが、同時に銀行との取引で10円を得ることが出来るのです。1ドルが90円になっても、銀行との取引で失う10円分は顧客との取引で得る10円でカバーできます。
 このように、日本の業者は顧客相手に開いているポジションを、銀行相手の取引で相殺しているのです。

 顧客のポジションが吉に転ぼうが、凶に転ぼうがカバー取引をしているFX業者には関係ありません。自分でリスクを冒さずにスプレッドから儲けを得ることができるのです。

日本の常識を持ち込んだら痛い目に会う

 日本のFX業者のほとんどはカバー取引していますが、海外でもそうとは限りません。

 したがって、海外FX業者を選ぶときにその業者が顧客の注文を”全て”カバー取引で相殺しているかどうか、こちらから聞かなければなりません。“全て”と強調するのは、カバー取引をしていると言いつつ、海外FX業者側が自分の損害へと繋がると思う注文だけを銀行に流している可能性があるからです。

 では仮に、カバー取引を行っていない業者を使ってしまったらどうでしょう?

 顧客と業者の利益が相反している以上、業者は顧客に損害を与えようとします。

「スキャルピングをしたら口座がクローズされた」「ニューストレードを妨害するような工作をされた」など、通常、バケット・ショップと呼ばれるそのような業者によって被害を受けた人はたくさんいます。

カバー取引をしているかを確かめる方法

 ある海外FX業者がカバー取引を行っているかを確かめるとき、最も手っ取り早い方法は、その海外FX業者の日本語問い合わせ口(メールや電話)に直接聞くことです。

 英語でしか問い合わせ方法がない場合は、ちょっと面倒です。“カバー取引”という便利な単語が英語にはないからです。

 “Do you offset all of your client’s positions with your liquidity providers”(御社は顧客のポジションを全て流動性プロバイダーと相殺させていますか)と説明すれば通じます。

 以上、ちょっと怖がらせてしまったかもしれませんが、相反取引の海外FX業者自体が悪いわけではありません。少ない元手で取引をしたいなら、スプレッドが固定制で小さい単位での取引を認めている相対取引の業者は大いに助かります。

 ただ、必ず先に業者がカバー取引を行っているかを確かめてみてから利用するようにしましょう。

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